難易度:★★★★(上級者向け)
最近になって出てきた新しい投資手法「ソーシャルレンディング」。
よくわからないという方に向けて、その仕組みとリスクについて徹底解説していきます。
ポイント
・ソーシャルレンディングは業者が貸付けによって運用し、利息・元本を配当として受け取る
・一度出資すると、期限が来るまでほったらかしで配当を受け取る
・貸付先、事業者の倒産リスクに注意し、利回りが高すぎず、期間が長すぎないものを選ぶ
目次
ソーシャルレンディングとはどのようなものか?
ソーシャルレンディングとは、ソーシャルレンディング業者に対して出資し、ソーシャルレンディング業者が貸付によって運用することで、リターンを分配として得る投資手法です。
言葉ではなかなか伝わりにくいので、図解してみたいと思います。
ソーシャルレンディングのしくみ
ソーシャルレンディング業者は、私たち投資家から出資を集めます。
1人当たりの出資金額は少額でも、多くの人数から集めることで多額の運用資金となります。
ソーシャルレンディング業者は、集めた資金をお金を借りたい企業に貸し付けます。
図では1社だけですが、実際には複数社に対して貸付けを行っています。
なお、貸付と出資の違いについては、以下の参考記事で詳しく解説しています。
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貸付ですので、ソーシャルレンディング業者は、貸付中に利息を受け取ります。
また、期限が来たら元本は返済されます。
この元本と利息が出資者に分配されることで、利益になるのです。
ソーシャルレンディングのメリットは?
ポイント
・一度投資するとほったらかしで運用
・事業者から貸付けているため、元本の償還が決まっている
一度投資すると期限が来るまでそのままです。
株式のように値上がり値下がりもないため、日々の価格の変動に一喜一憂することもありません。
ソーシャルレンディング事業者は貸付けで運用しているため、利息の支払いと元本の返済が決められた時期に行われます。
通常、投資家への分配を毎月としているところが多いです。
毎月着実に利息分の分配があるため、増えていっていることが実感できます。
ただし、出資のため元本保証ではありません。
それでは、ソーシャルレンディングにはどのようなリスクがあるのでしょうか。
ソーシャルレンディングのリスクは?
注意ポイント
・貸付先の倒産に注意
・事業者の倒産に注意
貸付先の倒産リスク
貸付けた先が倒産して返済ができなくなってしまうと、出資した金額が戻ってきません。
貸付先の倒産が第一のリスクです。
この点は事業者も一定の対策を取っていて、倒産に対する耐性があるか審査のうえで貸付けを行っています。
また、担保を取ることで、仮に倒産しても貸し付けた金額の一部を回収できるようにするところもあります。
とはいえリスクは0ではありません。
貸付先は事業者が決めるため、投資家の側からチェックすることが難しいですが、最近は貸付先の情報を積極的に開示する事業者も増えています。
貸付先の情報や、過去の貸倒実績などを踏まえて投資を判断する必要があります。
事業者の倒産リスク
また、事業者自体が倒産してしまっては、出資した金額の返還も困難になります。
ソーシャルレンディングはまだまだ新しい手法のため、新事業者が乱立しているのが現状。
情報公開がされているか、財務状態に問題ないかをチェックし、信頼できる事業者を選んで投資をする必要があります。
案件を選ぶポイントは?
注意ポイント
・利回りが高すぎない案件を選ぶ(5%程度)
・期間が長すぎないものを選ぶ(1年以内)
一番のポイント高利回りにつられて投資を行わないこと。
リターンが大きいということは、それだけリスクも大きいということです。
ソーシャルレンディングの案件を見ると高いもので年10%を超える案件もありますが、それだけリスクが高いということも踏まえる必要があります。
具体的には5%程度が目安でしょうか。
他の投資と比較して十分な利回りなので、その程度に抑えておくのが無難だと思います。
また、期間が長すぎないものを選ぶのもポイントです。
一度投資してしまうと、期間満了までほったらかしで運用することができます。
言い換えれば期間満了まで何も手出しをすることができません。
これほど変化の激しい時代、高い金利を払ってソーシャルレンディングを利用してお金を借りる事業者ですから、先のことなどわかりません。
投資期間は1年以内に抑えておくのが無難でしょう。
オススメのソーシャルレンディング事業者4つ
SBIソーシャルレンディング
証券、銀行、FX、仮想通貨など、金融サービスを総合的に手掛ける上場企業SBIホールディングスのグループ会社です。
大手企業の一員という安心感もあり、取り扱い残高もトップクラスです。
ソーシャルレンディングを始めるにあたって、一番無難な業者であると思います。
クラウドバンク
証券会社である日本クラウド証券が運営しているクラウドバンクです。
証券会社(第一種金融商品取引業者)は、ソーシャルレンディング事業者に求められる第二種金融商品取引業者よりも、より厳格な基準が求められています。
その点を突破しているクラウドバンクは、より安全性の高い事業者であるといえます。
取り扱いは日本国内のみならず、米ドル建ての海外案件も増えている状況です。
低金利の日本で貸付先を探すよりも、海外の貸付先も候補に入れることで、より安定したリターンを得ることができているのです。
また、太陽光発電などの再生エネルギー系や中小企業向け貸付を行っていることも特徴。
最近ではコロナ支援のファンドを組成するなど、社会的関心の高いテーマを取り扱っていることも特徴です。
CAMPFIRE Owners
クラウドファンディング最大手のCAMPFIREのグループ会社が運営事業者です。
購入型クラウドファンディング同様に、「〇〇したい」という思いにこたえるファンドを多数用意しています。
どうせお金を貸すなら、自分の興味ある分野に貸したいと思いませんか?
例えば最近では、アルコール除菌剤開発ファンドなど、貸付先の顔が見える形での投資ができる点が特徴。
よくわからない事業者に自分の資金が貸し付けられることに不安な方にオススメです。
FUNDINNO(ファンディーノ)
日本クラウドキャピタルが運営事業者です。
正確には貸付型のソーシャルレンディングとは異なり、株式投資型です。
非上場株式に投資することで、M&Aや上場時にリターンを得ることを目的としています。
そのため、貸付型のソーシャルレンディングと異なり、決められた利息や返済期限などはありません。
よりハイリスクハイリターンな投資ですが、ポートフォリオの一つとしてアリだと思います。
おわりに
ソーシャルレンディングはまだまだ発展途上の投資手法です。
仕組みとリスクを理解したうえで、ポートフォリオの一部として、投資してみるのがよいでしょう。
その他の投資手法の解説は以下の参考記事から。
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