優斗です。
流出事件以降注目を集めていたコインチェックの買収先がマネックスグループに決定しました。
報道は市場に好感をもたらしたようで、ビットコイン価格は急上昇を見せました。
コインチェックがマネックスグループの100%子会社に
マネックスがコインチェックを36億円で買収、創業社長は取締役退任 https://t.co/u8gXujhtQd
— 産経ニュース (@Sankei_news) April 6, 2018
記者会見前に日経でも報道されていましたが、ついに正式発表となりました。
マネックスグループがコインチェックを36億円で買収することが決定しました。
今後はマネックスグループの完全子会社としてコインチェックの名前で運営されていくことになります。
なお、現経営陣は退任し、マネックスグループから新経営陣が派遣されるようです。
ただし取締役は退任するとはいえ、和田CEO、大塚COOらは引き続き執行役員として業務に当たるとのことです。
マネックスとはどんな会社?
マネックスグループはオンライン金融事業を複数の子会社で展開する総合金融事業会社です。
その中核はネット証券会社であるマネックス証券。
ネット専業の証券会社は大手が7社と言われていますが、その中でも中堅クラスの会社です。
2017年3月時点のネット証券各社の口座数は以下の通りです。
会社名 | 口座数 |
SBI証券 | 3,839,883 |
楽天証券 | 2,250,038 |
マネックス証券 | 1,460,986 |
松井証券 | 1,094,240 |
auカブコム証券 | 1,048,720 |
GMOクリック証券 | 311,078 |
岡三オンライン証券 | 129,887 |
引用元:各社IR資料
口座数でみるとマネックスは業界3位。圧倒的シェアを誇るSBI証券と、それに追随する楽天証券。
その次の規模を誇るのがマネックス証券です。
マネックス傘下となることによるシナジー効果とは?
今回の買収劇は両社にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?
総合的な経営判断によるものと思いますが、以下のようなメリットが考えられます。
- コインチェックにとって
- 安定した経営基盤の確保
- 大手企業のグループ会社であるという信頼性の確立
- マネックスにとって
- 仮想通貨交換業登録の手間を省ける
コインチェックにとっては親会社という安定的な経営基盤を確保できることになります。
仮想通貨取引所はここ数年で急速に規模が拡大した、いわゆるベンチャー企業が行っていることが多いです。
それは、ともすれば今回の流出事件のように管理体制がおろそかになりがちな側面を持っています。
この点、東証一部上場企業であるマネックスグループの一員となるということは、それに見合った管理体制の構築が責任となるため、市場の好感も得られるでしょう。
金融庁も今回の買収を受けて業者登録容認の方向へ動いています。
金融庁、コインチェックの業者登録容認へ https://t.co/hOzVOrmcJ0
— まいこ (@beitasukiketsu) April 7, 2018
また、マネックスにとっても仮想通貨交換業者としてすでに申請中の会社を傘下に加えることで、申請の手間を大幅に省くことができます。
仮想通貨事業に関心を示す企業は多くありますが、参入障壁となっているのが仮想通貨交換業者としての登録。
流出事件を受けて金融庁も審査を厳しくしていますし、一から申請するとなると相当の時間と費用と手間がかかることになります。
ネット証券でいえばSBI証券は既にグループ会社がSBI VC Tradeを運営してますし、GMOクリック証券も同様にグループ会社が【GMOコイン】として取引所業務を開始しています。
auカブコム証券も親会社である三菱UFJグループが独自の仮想通貨MUFGコインの開発を進めており、同業者に打ち勝つ一手となりそうです。
他にも参入を狙う大手企業たち
大手企業の中にも仮想通貨事業への参入を表明している会社があります。
Yahoo!も今回のマネックスのように既存の交換業者を買収することで参入を図っています。
今回のコインチェックの買収を受けて、一気に業界の再編が進む可能性もあります。
引き続き業界の動向に注目です。