難易度:★(初心者向け)
優斗です。今回は「①資産を増やす」についての話です。
資産を増やす具体的な運用方法11種について解説していきます。
①普通預金
手軽さ・・・★
リスク・リターン・・・ほぼ0
期間・・・★
メリット:手軽、元本割れの心配なし、自由な入出金が可能
デメリット:リターンもほぼなし
いわゆる銀行の預金です。それって投資なの?と思うかもしれませんが、日本円を保有するという立派な投資です。
メリットは銀行口座を開けばすぐに始められ、街中のATMで自由に入出金ができる点でしょう。
また、元本割れの心配がなく、預けたお金は必ずいつでも引き出しが可能です。銀行に預けたお金は、仮に銀行が破綻してもペイオフ制度により1,000万円まで元本が保証されています。
デメリットはリターンがほぼないこと。
3メガバンク(みずほ、三菱UFJ、三井住友)の普通預金金利は何と驚異の年0.001%。
100万円を1年間預けて、利息は10円。実際にはここから税金約20%が引かれるため、受け取れるのは8円です。
少し金利のよいネット銀行でも、楽天銀行で0.1%(楽天証券口座と連携している場合)、あおぞら銀行で0.2%ですので、上記と同様の条件で得られる利息は、それぞれ800円、1,600円です。
リターンを得る目的での投資対象には成り得ないでしょう。
一方で元本が守られるということが最大のメリットですので、資産運用中でも一定程度の割合を預金として確保しておくことは大切です。
-
-
参考【初心者向け】銀行は振込手数料と出金手数料で選ぶ ゆうちょ銀行と楽天銀行の組み合わせがオススメ
難易度:★(初心者向け) 今回は③「費用を減らす」話です。 日常生活で切っても切れない関係の銀行。お得な銀行とはどんな銀行でしょうか? それは、手数料が安い銀行。 資産運用の観点からなぜ手数料の安さで ...
続きを見る
②定期預金
手軽さ・・・★
リスク・リターン・・・★
期間・・・★★
メリット:手軽、元本割れの心配なし
デメリット:拘束期間あり、リターンもほぼなし(普通預金より多少マシ)
普通預金とほぼ同様ですが、自由に出し入れができず、決められた期間は預けておく必要があります。期間満了前に解約することも可能ですが、多くの場合違約金がとられ、元本割れしてしまいます。
メリットとしては、普通預金よりは利率が良いこと。
それでもメガバンクで0.002%。普通は期間が延びれば延びるほど金利も上がっていくのですが、現在は10年定期でも0.002%です。
100万円を1年定期で預けて僅かに20円、税引後で16円にしかなりません。
普通預金の2倍とはいえ誤差の範囲でしょう。
ATMで1回引き出す、もしくは1回振込を行う時の手数料で、利息が軽く吹っ飛びます。
ちなみに高めのネットバンクでもあおぞら銀行で0.2%と普通預金と同等です。
そのため積極的にリターンを取りに行くというよりは、一定期間使う予定のないお金を、普通預金よりはマシな利率で預けておく、といった使い方になるでしょう。
③債券
手軽さ・・・★
リスク・リターン・・・★
期間・・・★★
メリット:倒産しなければ、元本割れの心配が低い
デメリット:拘束期間が長期にわたる、リターンは低い
債券とは国、地方自治体、企業などがお金を借りるために発行している証券のことです。
期間を決めてお金を貸付け、期間満了後には元本を返済してもらい、期間に応じた利息を受け取ることができます。
国が発行している国債が有名だと思いますが、地方自治体が発行している地方債、企業が発行する社債なども、個人で購入することができます。
メリットとしては、貸付けですので、倒産して払えないような状況にならない限り、元本が戻ってくる点です。
デメリットとしては、やはり安全性が高い反面、リターンが低い点。
国債であれば現在3年・5年・10年と期間が定められていますが、いずれも年0.05%。メガバンクの預金より高いとはいえ、これでは楽天銀行の普通預金(年0.1%)の方がお得です。
地方債となるとより長期のものもあり、長いもので30年物などがあります。
例えば神戸市30年債であれば、年0.517%と今までのものに比べると利率は高いといえます。
それでも次に述べる投資信託や株式に比べると利回りは低く、長期間に渡って資金が拘束されてしまいます。期日の前に途中売却することも可能ですが、市場価格に左右されるため、元本割れする可能性もあります。
とはいえ、株式よりリターンが低い分安全性は高いので、バランスを取って投資を行うことが大切です。
④株式
手軽さ・・・★★
リスク・リターン・・・★★~★★★
期間・・・★★~★★★
メリット:インカムゲイン・キャピタルゲインの両方が狙える
デメリット:元本割れのリスクあり
投資といえば最初に思いつくくらい、メジャーな投資先ではないでしょうか。
企業に出資して利益の一部を配当として受け取るのが株式投資です。また、株式自体が市場で売買され価格が変動するため、安く買って高く売ることでキャピタルゲインを得ることができます。
デメリットとして預金等と異なって、値段が下がれば元本割れのリスクがあります。また、銘柄によって値動きの激しい銘柄、安定している銘柄、配当の多い銘柄、少ない銘柄とさまざまな個性があります。銘柄選びと買うタイミングを間違えなければ、リスクに見合ったリターンを得られる投資だといえるでしょう。
通常100株単位からの取引のため、最低10万円前後の資金が必要ですが、最近は1株から購入できる少額投資のサービスが出てきました。
詳しくは以下の記事で紹介しています。
-
-
参考【初級者向け】少額投資は本当にやるべきか?今流行りの少額投資のメリット・デメリット
難易度:★★(初級者向け) 今回は「①資産を増やす」話です。 最近、少額でできる投資が増えてきています。 資産運用の観点から、これらは果たして有効なのか?まとめてみました。 ポイント ・少額投資は資産 ...
続きを見る
⑤投資信託
手軽さ・・・★★
リスク・リターン・・・★★
期間・・・★★
メリット:運用はプロに任せられる
デメリット:元本割れのリスクあり、個別株式よりもリターンは低い
投資信託は、投資家から資金を集めてまとめて債券や株式などで運用し、その運用益を配当として受け取るものです。
どのような対象に投資するかは、投資信託ごとの運用方針に従って決められます。
例えば安全性の高い国内債券を中心に運用するとか、リターンを求めて新興国の株式を中心に運用するとか、はたまたコモディティ(モノ)に対して投資して運用するなどです。
メリットとして運用対象をプロが選定しているため、お金を出す以外のことは必要ない点。
デメリットとして、運用報酬としてリターンの何割かがとられてしまうため、リターンは自分で個別に株式・債券に投資するよりも低くなってしまう点があります。
⑥REIT(リート)
手軽さ・・・★★
リスク・リターン・・・★★★
期間・・・★★
メリット:プロによる運用、株式よりも平均利回りは高水準
デメリット:一口の金額は株式・投資信託より高め
REITは投資信託の派生系ともいえる不動産に対する投資信託です。
日本では2001年から取り扱いが始まった、比較的新しいタイプの金融商品です。
投資信託と同じように投資家から資金を集めてまとめてプロが運用しますが、運用対象は不動産です。オフィスビル等から得られる賃料収入を配当としています。
メリットとしては投資信託や株式と比較しても平均利回りが高めである点。投資対象である不動産を自分で所有するよりははるかに少額で投資を行うことのできる点でしょう。
一方、デメリットとして不動産を買うより少額とは言え、一口当たりの金額が高めであること。
安いものでは1口数万円台からありますが、大半は20万円前後が多く、投資を始めるのに少し勇気がいる金額かもしれません。
また、不動産という特定業種のみが運用対象ですので、不動産市況に大きく左右されます。そのため、高利回りが続く保証もないので、分散投資先の1つとして考えるのが良いと思います。
⑦FX
手軽さ・・・★★★
リスク・リターン・・・★★★★
期間・・・★
メリット:レバレッジで多額のお金を扱える
デメリット:元本以上の損失の可能性あり
FXは為替のレート変動を利用して、外国通貨を売買することで利益を得る取引です。
例えば1ドル=100円だと仮定しましょう。この時に10,000円で100ドルを購入します。為替レートは時々刻々と変動します。
この後、1ドル101円になったときに、購入した100ドルを売ります。すると10,100円で売ることができるので、100円利益が得られたことになります。
さて、為替レートは一部の例外を除いて、急激に変動することはあまりありません。ドル円であれば、1日に数十銭単位の変動しかないことが多いです。
レート差がなければ利益も少ないため、利益を上げることはできません。
そこでFXでは「レバレッジ」を利用して、少ない投資元本で取引を行います。
一定の金額を「証拠金」として差し入れることで、証拠金の一定倍率までの規模の取引を行うことが可能となります。
現在の規制では最大25倍までの取引が可能です。
先ほどの例であれば、10,000円の証拠金を差し入れることで、最大25倍=250,000円までの取引を行うことができるようになるのです。
250,000円で先ほどと同様に1円レートが変動したとすると、得られる利益も25倍=2,500円の利益が得られることになります。
10,000円の元本に対して2,500円の利益ですから、利回りとしては25%とかなりのリターンを得ることができます。
このように少ない元本で大規模な取引ができる点がFXのメリットです。他にも株式と異なり、24時間取引が行える点もあります。
一方、デメリットとしてはその裏返しとして、利益が出やすい分損失も出やすい点でしょう。
正にハイリスクハイリターン。ただし、レバレッジ倍率は自分で設定するものですので、自分の許容できるリスクを見極めた倍率で投資を行いましょう。
⑧ソーシャルレンディング
手軽さ・・・★★
リスク・リターン・・・★★★
期間・・・★★
メリット:貸付先が倒産しなければ元本割れの心配が低い
デメリット:拘束期間あり、元本以上の損失の可能性あり
最近になって注目の集まる投資形態です。
仕組みとしては債券に近いのですが、ソーシャルレンディング会社が投資家からお金を集め、お金を借りたい企業に貸すことで、投資家は企業からの利息を配当として受け取るスキームです。
詳しくは以下の記事で解説しています。
-
-
参考【上級者向け】新たな投資手法ソーシャルレンディングとは? 仕組み・リスクとオススメ事業者を徹底解説
難易度:★★★★(上級者向け) 最近になって出てきた新しい投資手法「ソーシャルレンディング」。 よくわからないという方に向けて、その仕組みとリスクについて徹底解説していきます。 ポイント ...
続きを見る
日本ではSBIソーシャルレンディング、LENDEX、クラウドバンク などが行っています。
形式的にはソーシャルレンディング会社への出資ですが、最終的には企業への貸付に使われていますので、貸付先の企業が倒産しない限りは元本が期間満了後に戻ってきます。
その中で平均利回りは5%程度といわれており、株式よりも利回りが良いとされています。
それではリスクはないのでしょうか?
そもそも貸付先の企業がこのスキームを利用する理由を考えてみましょう。
企業がそれなりの利息を支払うには理由があります。創業して数年で出資が見込めないとか、銀行がお金を貸してくれないとか、既に銀行からの借り入れがあるが追加で資金が必要とか。
つまり、そのような高い利息を支払わなければならない企業だということは念頭に置く必要があります。
いくら利回りが良くても貸し倒れてしまえば元本は0です。
ソーシャルレンディングは、良くも悪くもリスクに見合ったリターンであるといえます。
⑨仮想通貨
手軽さ・・・★★★
リスク・リターン・・・★★★★★
期間・・・★
メリット:値動きが激しく短期間で利益が得られる可能性がある
デメリット:値動きが激しく損失の可能性も大きい
ビットコイン(BTC)を筆頭とした仮想通貨は、2008年に発明されて以降、取引所での取引が行われてきましたが、2017年に1BTC=200万円まで大きく値上がりし、一時話題となりました。
仮想通貨を安く買って高く売ることで利益を上げる投資手法です。
流出事件以降下降トレンドに入っていましたが、40万円まで値下がりしたビットコインも、現在は100万円前後で推移しています。
特徴は何といっても値動きの激しさ。
2020年3月には50%近く下落するなど、これまでの市場にはないほどの短期間で大幅な値動きが特徴です。
これは短期間で大きな利益が上げられる一方、損失を被るリスクも同程度あります。
また、流出事件以降規制が強化されたとはいえ、多くの詐欺まがいの案件があることも事実です。
安易に手を出すのではなく、情報を見極めて手を出すことが重要です。
-
-
【資産運用上級者向け】仮想通貨(暗号資産)取引所 国内全23社を徹底比較!その1
難易度:★★★★★(資産運用上級者向け) 仮想通貨(暗号資産)取引所は何を使えばいいかわからない。 そんな方のために、国内全23社の取引所を、取り扱い銘柄、手数料、特徴など比較してみました。 &nbs ...
続きを見る
⑩金
手軽さ・・・★★★
リスク・リターン・・・★~★★★
期間・・・★★★
メリット:モノとしての価値が必ず残る
デメリット:元本割れの可能性あり
金の売買で利益を得る投資です。
金はそれ自体に貴金属としての価値があり、値下がりする可能性はあるものの、価値が0になることはありません。
また埋蔵量が限られていて希少価値が高いため、一定水準の価値は維持されるといえます。
昔から「有事の際の金」といわれるように、経済の見通しが不安定で株式の価値が下がる際に代替資産として取引されてきました。
現在、コロナの影響で過去5年の中で最高水準まで値上がりしています。
金は安く買って高く売ることで利益を得るもので、保有することで利益が上がるわけではありません。
そのため値段が高いタイミングで買うべきではありません。(もっともこれ以上されに値上がりするとみるのであれば買うべきですが・・・)
⑪不動産
手軽さ・・・★★★★★
リスク・リターン・・・★★★
期間・・・★★★★★
メリット:安定した収入源となる
デメリット:長期間の投資が必要、手続等が煩雑、多額の資金が必要
投資手法の最後は不動産投資です。
これまでに述べてきたものの中で、最も投資資金が大きくかつ投資期間が長期に渡るものです。
不動産を賃貸に出すことで家賃収入を得る、もしくは安く買った不動産をリフォームなどで価値を向上させ、高く売ることでキャピタルゲインを得る投資です。
多くの場合自己資金のみで投資を始めることは少なく、不動産を担保として銀行からお金を借りることになります。
不動産を購入して資産を増やす一方で、負債も増やすことになるため、規模としては大掛かりな投資になります。
一方で家賃はある程度安定的に入ってくる収入になりますし、入居者が引っ越さない限り家賃の値下げも考えにくいです。
ただし投資が長期に渡るため、長期的な経済環境の変化、周辺環境の変化を織り込んで投資を行う必要があります。仮に失敗したと判断しても、売却して撤退するまでにある程度時間がかかりますので、慎重な物件選びこそが大事といえるでしょう。
規模は大きいものの一般的には株よりリスク・リターンが大きく、仮想通貨やFXなどよりリスク・リターンが小さくミドルリスク・ミドルリターンの投資と言われています。
まとめ
さまざまな資産運用方法を紹介してきました。
いずれもリスク・リターンがさまざまであり、理解して自分の許容可能なリスク範囲内でリターンを求めていく必要があります。
大事なのは特定の手段に頼るのではなく、ある程度分散投資を行っていくことでしょう。
それぞれの項目については、また詳細記事を書くことにします。